Googleの広告組織が再編されるようです。

過去20年、とどまることのなかっったGoogleの広告ビジネスがターニングポイントを迎えているのかもしれません。要員としては、Amazonの追い上げなども関係しているかもしれませんが、GDPRのようなWeb上での個人情報利用についての法的な規制と、人々の意識の変化の方が大きいのかもしれません。

記事の中で、GoogleのPrabhakar Raghavan氏は組織を大きく4つに再編することについて言及されています。4つとは、

  1. Googleが直接するサービス
  2. Googleの広告関連プラットフォーム
  3. 計測(measurement)
  4. プライバシー(privacy)
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Googleが直接するサービス

こちらはご存知Google検索とYoutubeについてです。Googleが自社で運営するサービスのため自由にデータ収集、広告プロダクトの企画・開発など自由にビジネスができるのでしょう。利益率もとても高いことが予測できます。

Googleの広告関連プラットフォーム

こちらについては以前記事にもしたのですが、Googleはパートナ向けに様々な広告プロダクトを提供しています。ブログやメディア向けにはAdsenseやGoogleAdManagerといったメディアのマネタイズを広告でサポートしていますし、広告代理店・広告主(個人事業主含む)には旧AdwordsやGoogleDisplayNetworkなど簡単に広告配信できるプロダクトを提供しています。

計測(measurement

こちらは有名なところだと、GoogleAnalyticsのようなWebサイトの広告計測ツールがあります。無料で使えますので、使ったことがある方も多いと思います。またアプリ向けにはFirebaseを提供していますし、最近では無料で使えるデータ分析ツールとしてGoogleDataStudioなどがあります。日本でもデータサイエンティストのような分析スキルを必要とされる人材が求められていますが、今後もどんどんこの領域のプロダクトを充実させていくのでしょう。

プライバシー(privacy

このプライバシーが一番のサプライズなのかもしれません。GDPRのような法的・人々の意識の変化を察して素早く組織再編するのはすごいなと感じます。こちらは海外で問題になっているような子供がYoutubeでプライバシー侵害にあったようなニュースもありましたし、そのあたりの強化をするのかもしれません。第3者が勝手に人の個人情報を公開してしまうことも(Youtubeはユーザーが自由にコンテンツを投稿できるため)あったようです。より多くの人が安全にWebを利用するための機能を開発していくのは重要だと思います。

ただ、個人的にはよりGoogleが勝手に人々の情報を解析し、広告配信に利用しているという認識を持たれることにより法的・人々の感情的による負の影響を軽減することが大きいのではないかと思っています。こちらの記事にありますように、Googleが今後はよりユーザー情報の取得を行わないようにしていくとを話しています。またメールの内容を勝手に解析されているなど、巷で噂されていたようなこと(多分やってた??)を控えていかないと法的な罰金を課されるリスクが高まっていることもあるのだと思います。

日本でもリクルートによるリクナビの情報を勝手に解析して企業に提供してことで大きな議論を呼びましたが、今後は世界的にユーザーの情報を勝手に利用することに対しては大きなモラル違反のようになっていくと考えられます。今までは当たり前のようにサービスの行動ログなどを収集することはGoogleにせよ、Facebookにせよ、当たり前のようにやってたことですが、インターネットの台頭から20年で大きな潮目を迎えているようです。

ただ上記の記事によるとAIの技術革新によって少ないデータでもより高い予測ができるようになっていることも背景にあるようで、Googleほどの企業であればそのあたりも計算した上で今回の発表であると考えられます。