こちらの記事ありますようについに公正取引委員会がインターネット企業による個人情報利用の規制に乗りだすようです。もし施行されれば、日本版GDPRということになりそうです。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20190830-00000019-jnn-bus_all

Youtubeより 公正取引員会がIT企業の

厳密に罰則などについては言及されていないので、GDPRのような影響力のある法にはならない可能性もありますが、大きく取り上げているのは下記の5つのパターン。

  1. 安全管理をせず個人情報を漏洩
  2. 目的をはっきりしないまま個人情報を取得
  3. サービスの範囲を超えて個人情報を取得・利用
  4. 同意を事実上強制して個人情報を第3者に提供
  5. サービスの対価以上にデータを取得

1についてはEUにおけるマリオットの事例のようにパスポート情報の漏えいなどは今後の偽装など含め、個人に多大な不利益をもたらす可能性もあり、企業が何の対策もせずに漏えいさせた場合は厳しく罰則してもよりのではないかと思います。

2、3、4、5についてはなかなか難しいところではないかと思います。インターネット企業は無償でサービスを提供する代わりに行動データなどを分析し、広告配信で利益を得て成長してきた経緯があります。特にGoogleやFacebookは個人情報を分析し、広告配信のターゲットを向上させる子どでマス広告時代には実現できなかった広告ターゲティング精度と計測を実現し、急成長してきたわけですが、それを規制するとなるとGoogle、Facebook、Line、Yahooだけでなくまだ小さなベンチャー企業も大きく規制することになりそうです。巨大プラットフォームは資金もエンジニアリングのリソースも豊富ですから、規制されても代替案を発見・開発することができそうですが、弱小ベンチャーは潰れるかもしれません。

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争点となるのはCookie扱い?

今後、個人的に議論のポイントになるのではないかなと思っているのがCookieの扱いをどうするか、です。というのも名前や住所、年齢、性別などは確実に個人情報になるので、その個人情報を勝手に第3者に提供するのは規制対象だと考えるからです。勝手に私の住所が知らない人に提供されてると思うと怖いですしね。きっちり取り締まって欲しいです。

ということで、次はCookieとは何かということですが今後はCookieをどうするかだと思うのですが、まずはCookieについて説明します。

Cookieとは

Cookieとはブラウザの機能の一つで、ユーザーが訪れたサイトの情報や、ID、パスワードなど様々な情報を一時的に保管しておく仕組みです。Cookieがあることによって、直近で訪れたサイトに何度もログイン情報を入力する必要がなくなったり、あるサイトで一度見た商品をレコメンドしてくれます。

Cookieを個人情報とするのか、個人を特定するためには至らないので規制対象とはならないのかで影響度が大きく変わってきそうです。というのもこのCookieは現在インターネット上で使われているあらゆるサービスで使われている技術なので事実上規制することは、難しいですし、またCookie取得していることをユーザーの同意を得なければいけないとなると、それはそれでユーザーの体験を大きく損ねます。

例えば、GoogleAnalyticsというサイト分析を行うツールをGoogleは提供しているのですが、このツールはCookieを用いることで同じユーザーがサイトに何回来たのか(ユニークユーザー)を計測しています。サイトやブログを開くたびに「このサイトはCookieを使用します」のような同意文を出されるのはユーザーとしてはつらいですね。またCookieには有効期限がありますし、ブラウザ単位で管理されますから、同じサイトであっても期間が空いたり、別のブラウザ(もしくはデバイス)で閲覧するたびに同意文を表示されることになってしまいます。これはユーザーにとっても不便でしょう。

Cookieとは

またCookieがNGとなった場合はリターゲティング業者は随分つらいと思います。リターゲティングとは一度サイトを訪問したユーザーに対して広告を表示する技術のことで、よくECサイトを訪問すると別のニュースサイトを見ている時も、さっき見ていた商品の広告が表示されると思います。これがリターゲティング広告で、Cookieが利用されています。具体的にはCookieにあなたがいつ、どんな商品を見たかという情報が記録されているので、その情報をもとに広告を表示しています。人によっては気持ち悪いと感じるかもしれませんね。ただECサイトではほぼ全てのサイトが使っている広告です

影響ある業界は?

今後影響がある業界としては、デジタルマーケティング業界はもちろんなのですが、Web上のデータを分析・AI利用などで自社のサービス改善に取り組んできた企業にも影響がありそうですね。ゲームやニュースサイトのレコメンド、GPSを用いた広告配信や位置情報を第3者に提供するのもNGになりそうです。もちろん、マーケティング業界ではありませんが、最新のマーケティングテクノロジーを駆使してインターネット上で物販を行なっているECサイトも効率が悪くなるのは間違いないですし、非常に大きな影響がありそうです。