タイトルの通りスラック・テクノロジーズ(以下、Slack)が6月19日にニューヨーク証券取引書(NYSE)に上場しました。金融機関を主幹事としない直接上場というIPOの手法でも話題になりました。以下、ブルームバーグより引用。

今年のシリコンバレー企業による新規株式公開(IPO)に対する投資家の反応はまちまちだった。そうした中で、公募増資・売り出しを伴わない「直接上場」という方法を選択肢した米スラック・テクノロジーズは、20日の取引初日に株価が急伸した。


  ニューヨーク証券取引所(NYSE)での初値は38.50ドルと参考価格の26ドルを大きく上回り、一時は42ドルまで上昇した。終値は38.62ドルで時価総額は195億ドル(約2兆930億円)となった。昨年8月に行われた上場前の最後の資金調達ラウンドでの評価額は71億ドルだった。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-06-20/PTF4AD6K50XS01
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Slackとは?ビジネスチャットとは?

Slackが提供するのはいわゆるチャットサービスです。古いものでいうとSkypeやGoogleのハングアウトもチャットツールです。Slackがそれらのサービスと違うところはビジネスチャットというところです。

下記の図を見ていただければわかる通り、世界中でユーザーを抱えています。2019時点ですでに1000万人のユーザーがいるそうです。DAU(デイリーユーザー)と言っていますので、アクティブユーザーが1000万人いるということでしょう。よくユーザー数何人と発表されるケースでも、実際は半分以上がアクティブでなかったりするケースもあるので、きっちりDAUと明記している点は、自信が表れているように思います。

Source: https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1764925/000162828019004786/slacks-1.htm

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Slackの業績は?

Slackの業績ですが、2019年時点では売上が約400億円で、営業利益が150億円の赤字だそうです。いわゆるSaas銘柄というのは黒字化するまでに時間がかかりますが、一旦黒字化するとものすごい勢いで利益を積み上げていく傾向があります。なので、Saas銘柄としては赤字上場は珍しくないものの150億円の赤字と聞くと額が大きいだけに心配にはなりますね。

Slackの今後

Slackの今後ですが、すでに多くの企業に使われているSlack。今後もこの流れは加速していくと考えられます。

ビジネス領域での利用

特に日本でのビジネス領域で受け入れられているように思います。日本ではメール上で「お世話になります」「よろしくお願い致します」のような形式張った表現がデフォルトで使われることが多いのですが、Slackではそのようなルールもなく普通に会話のようなやり取りが中心です。

メールも簡単な定型的な挨拶さえ1日に何通も送っていては効率が悪くなってくると感じる方も多いと思いますが、そのような人はSlack導入で大きく業務効率が改善したと感じている人が多いようです。

また履歴機能やルーム機能も過去のやり取りを見返したり、宛先のCCをいちいち気にしたり良くなるので、ちょっとしたことですが業務効率の改善には効いているのだと思います。すでに日本はアメリカに次ぐ第2位の利用者数を誇っているようで、この流れは日本独自のメール文化からの脱却し、より本質的な業務上のやり取りに集中できるという意味でもSlack導入は企業にとってメリットが大きいと思います。

エンジニアはSlackが好き?

かなり偏った意見ではありますが、エンジニアの人たちはSlackが好きだと思います。私自身もエンジニアとしてキャリアの大半を過ごしていますが、やはりSlackが好きです。理由はAPIまわりが充実していたり、スタンプのカスタマイズで遊べたりすることが当初の理由だったと記憶していますが、いつの間にかエンジニアの文化や考え方、働き方に理解がある企業はSlackを使っている、みたいな企業風土を表現するレベルまで昇華してしまったのではないか、と個人的には思ったりしてます。

WindowsPCを支給する会社では働きたくないぜ、みたいな風潮が一時期エンジニア界隈では存在していたような気がしており、エンジニアを採用したいならmacBookProを支給せよ、みたいな時期が数年前にあったと思っており、それと似たような雰囲気を感じます。Slackじゃなくて、chatxxx使ってるの?みたいな。ツールや働く環境には敏感なエンジニアはSlackを好みますし、一部のWeb企業のエンジニアで話題になったSlackがどんどん大きな日本企業にも広まって今のSlackの普及率、人気があると思いますのでエンジニアを採用したい人はSlackを使ってみてはいかがでしょうか。(根拠はないです)