こちらのリリースにありますようにLINEがアドネットワーク事業をはじめるようです。今後のデジタル広告の業界にどのような影響があるのでしょうか。考えてみたいと思います。

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LINEの広告事業規模は?

まずはLINEの広告事業について確認したいと思います。LINEはここ数年広告事業の売上を大きく伸ばしてきました。今回発表のアドネットワークはディスプレイということになるのでしょうか。であれば、下記の図では単位が10億なので、単純計算すると2019年は400億円近い売上が既存のままでも見込めていたことになります。

セグメントとしてアドネットワークをどのように扱うのかは分からないですが、おそらく上のディスプレイはLINEが保有する広告枠への配信で、アドネットワークは外部の媒体への配信も含まれます。アドネットワークに入稿する場合、LINEの広告面は別にはしないと思うのですが、どうなるのでしょう。

LINEアドネットワークに配信してLINE面が含まれていないとあまり広告主にとって魅力的でないと思います。ただ、LINEのデータを使ってLINE以外の広告枠に配信するっていう商品の作り方はあるのかもしれませんが、リリースにも記載されている説明会などで詳細が明らかになってくるのだと思います。

どうなる今後のデジタルディスプレイ市場

LINEのアドネットワーク参入で今後のディスプレイ広告市場はどうなるのでしょうか。まず日本のディスプレイ広告市場の大きさですが、CCI発表の資料によると2018年では5,600億円ですね。

CCI発表の2018年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析より

後日、より詳細な記事を書きたいと思っているのですが、この5,600億円の市場をGoogle, Yahoo, Twitter, Facebook, AmazonとLINEなどのプラットフォームプレイヤーが凌ぎを削っているわけですね。

プラットフォームではないのですが、その他FreakoutやGeniee、DACのMarketOneなどいわゆるアドテク企業のプロダクトもこの領域に入ります。アドテクの海外勢ではリターゲティングで有名なCriteoなども含まれます。まさに群雄割拠ですね。

群雄割拠のディスプレイ広告領域で生き残るのは?また勝者は?

群雄割拠と言いつつも2010年ぐらいに湧いたアドテク業界もすでに勝者と敗者に分かれ、GoogleやYahoo, Facebookの寡占が長らく続き、国内のアドテクスタートアップ企業は上場を機に広告領域で勝ちとったシェアは維持し、企業としての成長はデジタル広告以外の市場に見出しているのが現実ではないかと思います。

フリークアウトはフィンテック、Fringe81はHR、ジーニーはタクシー広告ですね。そんな中、ここ2、3年は異業種プラットフォームからの広告市場参入が続いているわけで、というかAmazonですが。すでに勝敗がついた市場に後発で、Googleのような圧倒的という言葉で表現できないくらい圧倒的な存在にまともに勝負できるのはAmazonぐらいです。

国内勢としては、そろそろ本気を出すか楽天、と今回発表があったLINEがどれくらいシェアを拡大できるかが業界の将来を大きく左右しそうです。